熊瀧 潤也 / スズキ株式会社

スズキの次世代を担う部長が語る、Garageと浜松の「今まで」と「これから」

スズキ株式会社
次世代モビリティサービス本部コネクテッド部長 熊瀧潤也

インタビュー

今回のTheGarage for Startups(以下Garage)利用者のインタビューはスズキ株式会社次世代モビリティサービス本部コネクテッド部長の熊瀧潤也さんに、The Garage学生インターンの村松がお話を伺いました!
Garage設立からの初期メンバーである熊瀧さんだから知るエピソードやご自身の今後の展望まで、幅広くお話を伺うことができました。

熊瀧さん、本日はよろしくお願いいたします。

よろしくお願いします。

普段フラットに接してくださるので、こうしてお話を伺うのは緊張します(笑)

はじめに、熊瀧さんのお仕事について教えてください。
スズキ本社の次世代モビリティサービス本部コネクテッド部で部長をしています。
具体的な内容としては、コネクテッドカー*と呼ばれる車を利用したサービスの開発や企画を行っています。この部署は元々会社に存在していたわけではなく、私1人から発足し、組織として立ち上げてきました。今では70人もの社員が所属する部署に成長しています。

※コネクテッドカー:ICT端末としての機能を有する自動車のことで、車両の状態や周囲の道路状況などのデータをセンサーから取得し、ネットワークを介して集積・分析することで新たな価値を生み出すことが期待されている(総務省ホームページ参照)

部署を1人で立ち上げられたなんて、すごいですね・・!よくお話をさせて頂いているのに全然知りませんでした!浜松はもともとご縁があったのですか?

実は出身は湖西市なのですが、高校は浜松の学校に通っていたんです。その後、大学で一度離れてから結婚を経てまた浜松に移住しましたが、海外勤務が多く、私の中で浜松は存在してなかったも同然でしたね(笑)
海外勤務に伴い、10回以上の引っ越しを経験しており、浜松に対する印象は会社がある場所というくらいでした。

しかし、新型コロナウイルス(以下、コロナ)の感染拡大を受けて海外出張ができなくなったんです。海外出張のない生活など今まで経験したことがなかったので戸惑いましたが、浜松のことを知ることができるチャンスができると考えました。実際にこの1年で、Garageを中心にして浜松の色々な方と出会うことができました。浜松市とスズキの合同事業も生まれ、繋がりが強くできたと感じています。

コロナの影響を受けて浜松との関わりが増えたんですね。Garageと関わるようになったきっかけは何だったのですか?

コネクテッドセンター事業を立ち上げるにはスズキ外部の方々との協力が必要だったため、立ち上げのために2年間で2000人もの人に出会った時期がありました。その時に大企業とスタートアップを考える浜松市のイベントで池田さん(パイフォトニクス株式会社 代表取締役)に出会い、浜松市内のベンチャーが集うコミュニティのイベントに招いていただきました。そのイベントで、スタートアップ企業などが交流する拠点であるGarageの運営を手掛けている杉浦さんを紹介してくださったことがきっかけでGarageに関わるようになりました。

私自身も会社内だけを見つめるのではなく、会社の外を知り、視野を広げることが必要であると考えていたため、Garageの活動に参加したいと考えました。スズキの中にも「オフィスの近くでオープンなディスカッションができる場所が欲しい」と考えている社員がいたため、オープンイノベーションでこれから新しいことを生み出していくことを望んで会社としても協力することにしました。

私は浜松市に在住して30年以上経ちますが、海外での勤務が長かったため、浜松のことをあまり知りませんでした。Garageに参加することでそうした地域の方々との繋がりができることも参加する大きなメリットだなと感じたのです。

Garageは現在どのような使い方をされていますか?

コロナの関係で出社日数が減り、大体1週間に2〜3回くらいGarageで仕事をしていますね。取引先の企業とここで打ち合わせをしたり作業をしたりしています。休日は本を読みに来ることも多いです。自宅にいるとテレビやスマートフォンなど画面を見ること多くなりがちですが、Garageに来るとそういったデバイスから離れて、読書に集中することができます!

そんな私のお気に入りの場所は入ってすぐ右側のピアノが置いてあるスペース。
落ち着いた雰囲気で集中して作業に取り組むことができますね。あと、Garageの主になったような気分が味わえますよ。(笑)また、Garageに来ると誰かしら利用者がいるのでその人たちと話すことも小さな楽しみになっています。

Garage設立当初は利用者が少なかったようですが、現在は少しずつ増えて賑やかになってきましたね。当初から現在まで何か変化を感じることはありますか?

Garageが始まった当初はレンタルオフィスとしての機能を求めている企業の方々だけが来ているような雰囲気でした。杉浦さんと、どうしたら利用者を増やせるのかよく話していましたね。
受付に学生さん(インターン生)が来てくれるようになってから利用者が増えたように感じています。

受付に人がいることでコミュニティマネージャーのような役割を果たしているように思います。人と人とを繋げる人がいることで、よりコミュニティ内の繋がりができていくのではないでしょうか。

利用者の増加によって、繋がりが生まれてきたのですね。Garageでのコミュニケーションについてどのようにお考えですか?

立場や年齢関係なく、フラットな関係でいられることを魅力に感じています。
会社内では、立場上はじめから上下関係ができてしまい、相手との間に距離を感じることが多くあります。Garageでは学生も社会人も関係なく初めからフラットに接することができるので、気軽に色々な人と話をすることができますね。私にとってGarageは、会社とも家庭とも違ったコミュニケーションがとれる貴重なコミュニティの場ですね。

そうですね、受付を担当している私たち学生インターンにとっても、幅広い方々と出会える貴重な場所だと感じます。今後のGarageへの期待することをお伝えください。

常に新しい刺激がある場所であって欲しいと思っています。
杉浦さんとGarageで夜な夜なお話したことから始まり、浜松市などの協力を得て実現した「浜松テレワークパーク」のように、Garage出会った人たちが化学変化を起こしてそこから何か新しいものが生まれるようなイノベーションを起こす拠点となればいいなと思っています。

その上で、これからは徐々に人が増えてきた中で、どのようにして新しいことに取り組んで行くのか考える必要があるかもしれません。今までは、新しいメンバーの加入によって雰囲気が変わってくることもあったけれど、人数が増えてメンバーが変わらなくなっても小さな仕掛けを考えてくることが大切だと思います。

例えば、毎週木曜日に行っているトレーニングや、ゴルフ部などの活動をきっかけにGarageに来る習慣を作るなど。こうした小さな工夫をどんどん生み出していくことでGarageがより活発になるんじゃないですかね。

Garageの活性化によって、多くのイノベーションを起こすことができるかもしれませんね!最後に、熊瀧さんご自身の今後の展望を教えてください。

コロナの影響で海外に行けなくなった今、浜松での仕事を精力的に進めたいと考えています。
具体的には現在進行中の、”健康と車を結びつけるプロジェクト”に力を入れたいと思っています!

車に乗っている人のデータから健康状態をはかることができ、長く健康的に乗ることができる車を作りたいと考えています。まずは浜松市民の健康促進をさせるような車を作り、いずれそれを世界に広げていきたいですね。

お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

ありがとうございました。

取材を終えて。

熊瀧さんにお話を伺って、改めて学生でも社会人の方とお話をすることができ、またそこから新たなビジネスが生まれる場は貴重であると感じました。
これからもこの経験を最大限生かしていけるように積極的にGarageやコミュニティの方々と関わっていきたいと思います!

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運営会社

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